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知内町郷土資料館の高橋です。 アドベントカレンダー13日目は「箱館戦争と化け猫伝説」についてです。 化け猫伝説は、鍋島の化け猫騒動が有名ですが、 日本各地に残っている伝説です。 じつは北海道の南西部にある知内町にもあるのです。明治維新の頃の話ですから、知内ではもっとも新しい伝説なのですが…。 さて、箱館戦争の頃、雷公神社で第22代宮司を務めていた大野石見重敬は、剣に秀でていました。そのため箱館戦争の際には、松前藩に従軍し数々の武勇伝を残しています。 その大野重敬が、箱館戦争最大の激戦地となった榎本軍大鳥圭介以下500名が守った矢不来台場付近で旧幕府軍側の強敵と一騎討ちの勝負となりました。 このとき重敬は、根株につまづいて不覚にも仰向けに倒れてしまったのです。 敵はここぞとばかり重敬の喉を突刺そうとしたとき、重敬は満身の力をこめて相手の急所を蹴上げました。 敵はうめき声を発してのけぞり倒れ、すかさず重敬は首をかき切りました。 その夏の夜、重敬がいつものようにひとり寝酒を傾けていました、ふと何かの気配で目をあけると炉の向かいに、去る日矢不来で討ち取ったかの武士がらんらんと眼を光らせ、怨みをいいながら再度の勝負を挑んできました。 さすが気丈の重敬も一時は驚きましたが、やがて気を落着け「よし、相手になろう」と自宅そばの神社から一刀を持って来て「外へ出ろ」といいましたが、じろりとにらんだまま立ち上がろうともしませんでした。 重敬は面倒とばかり斬りつけたところ「ギャッ」と叫び声をあげたとたん姿が見えなくなりました。この叫びに跳び起きて来た家人は、蒼白な顔で血のついた刀をさげている重敬の姿をみて驚きました。しばらくして重敬は、不思議なこともあるものだと家人に今のことを話しました。 そして家人の灯したローソクの火で土間をみると生々しい血痕がありました。その血の跡をたどって家の裏に行くと、今まで見たこともない大きな古猫が、額を割られて死んでいました。猫に化けて出た旧幕府軍の怨霊を哀れに思った重敬は、猫をねんごろに葬り、そばに椿の木を植え石の祠(ほこら)を置きました。しばらくすると付近の人たちから猫塚と呼ばれるようになりました。 そのような記憶も薄れた1959年(昭和34)元町の国道を改修するときに、家を取り壊し移転するため、家の裏の庭木や祠も移すことになりました。猫塚の伝説を知らない重敬のひ孫である子ども達は、何か先祖からの宝物でも埋めてあるかも知れないぞと言い合いながら祠の下を掘ってみたところ、宝物はなくて白い骨が出て来ただけだったのでがっかりしていました。ところが知内の歴史を調べている人から、この場所が伝説の猫塚であるということを教えられ、今更のように驚いたそうです。 これが知内での化け猫伝説ですが、いかがだったでしょうか。 知内の場合男がネコになって化けて出てきましたが、一般に化け猫は、女性の場合が多いようです。老いたネコが人間の老女に化けることが多いようです。その理由はネコの神秘性といったところにあるのかもしれません。ネコは夜行性やその眼光、そしてなついているようでなついていない、また「猫かぶり」というように本性を隠しているかのような不思議な習性が、女性のようだと男優位の時代には見られていたからかもしれません。 古今東西、女性とネコは魔性のものと考えられていたようなのが面白いですね。魔女の使い魔として黒猫が登場しています。 この黒猫、ところ変わればなんとやらで江戸時代の日本では「福猫」として魔よけや厄よけとして重宝されていたそうです。
by dounan-museum
| 2013-02-23 05:00
| テーマ「幕末維新・箱館戦争」
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