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七飯町歴史館の山田です。 投稿が遅くなりましたこと、先にお詫びします。 さて、今年は午年。 だからというわけではないですが、 私の投稿では七飯町の「馬頭観音碑」について紹介しようと思います。 馬頭観音碑は、一般的に農耕での使役や移動・荷物運搬の手段として、人間の生活に密着していた馬たちが、事故やケガなどによって亡くなった際に、その供養の為に建てた石碑のことで、「馬頭観音」とか「馬頭観世音」という文字や、馬頭観世音の姿が彫られたりします。 左:馬頭観世音菩薩が彫られたもの 右:馬頭観世音の文字のみのもの (七飯町大中山) 盤面が将棋の駒に似た形のもの (七飯町鳴川) 馬と駒をかけたのだろうか?石碑の形も様々だ・・・ 七飯町には、牛馬に関係する石碑20基ほどのうち、13基が馬頭観音碑であり、ほかに2体の馬頭観世音菩薩像が安置されています。今のところ、文久2年(1862年)に建立された石碑が最も古く、これには、発起人の名前が彫られていたため、江戸期に入植してきた八王子千人同心たちによって建てられたことがわかったほか、碑文の左右に「右しかべ道」「左とうげ道」と書かれていることから、道標的な役割も担っていたと推察できました。 また、馬頭観音碑は、長い年月の間に移設されることがあるようで、寺社の境内に、幾つかがまとまって建立されていたり、当町の藤城地区では毎年3月に馬頭観音祭が行われたりなど、今でも信仰の対象となっています。 このような、ななえと馬の関わりについて、今後も歴史や民俗分野を中心に調査を進め、最終的には「展示」へと結びつけられたらと考えています。 七飯町で最も古い馬頭観音碑 (七飯町本町) 碑文の左右に「右 しかべ道」「左 とうげ道」の文字が・・・ ところで余談ですが、私と馬頭観音碑の出会いは30年以上前の話になります。小学生の頃、オオカマキリを捕まえたくて、函館市内某所の草むらで網を持ちながら駆けまわっていた時、偶然に「馬頭観世音」と彫られた石碑を発見しました。お供え物があったことや、墓石のような形状、そして、帰宅後に「それは、馬のお墓だよ。」と親に言われたこともあり、なんとなく怖いものがあったという記憶として鮮明に覚えています。 後日、あの馬頭観音碑がどうなったのか気になり、30年もの歳月を経て、再びその場所を訪れてみましたが、あの石碑はもうどこにもなく、記憶に無い建物ばかりが並んでいました。寂しい気持ちがこみ上げてくるのと同時に、「身近な石碑も、大切な文化財なのだ」と、改めて感じた1日になりました。 雪がとけたら、皆さんも自分の町の馬頭さんに会いに行ってみませんか?
by dounan-museum
| 2014-03-06 17:44
| コラムリレー
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