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市立函館博物館の奥野です。 今回は、旧函館博物館と博物場資料についてご紹介します。 ご存じの方も多いかと思いますが、函館博物館のルーツは、開拓使函館仮博物場に遡ります。博物館本館のある函館公園内に、旧函館博物館一号、二号の建物が現存していますが、旧函館博物館一号は1879年(明治12)の開館で、現存する日本最古の博物館建築として、まちを彩る建築物として大切に引き継がれています。 この函館仮博物場が、1879年(明治12)5月25日に開館したことから、この日を開館記念日として、旧函館博物館一号を1日限定で開館し、普段は見ることができない館内を見ていただく機会を設けています。 今年(2015年)は、25日が休館日にあたるため、24日(日曜日)に、1日無料開館を行いました。開館中に、270名の来館があり、多くの市民に明治の博物館を見ていただくことができました。 開館日当日には、ちょうど姉妹都市ウラジオストク市(ロシア)の、当館とは博物館姉妹交流の覚書を交わしているアルセニエフ博物館のシャライ館長にご来館いただくという、新旧の博物館活動が交差する偶然もあり、開館日に彩りを添えました。 さらに、今年は、特別展「千島樺太交換条約とアイヌ 」(2015年7月11日(土)~8月30日(日))に合わせて、8月11日(火)の午前・午後2回、旧函館博物館一号・二号をご見学する講座も設けています(要予約、詳しくは当館ホームページ(http://hakohaku.com/top/event/lecture/)をご覧ください。)。今回の公開日を逃した方は、この機会にぜひご覧いただきたいと思います。 開館当日の函館博物館一号とその内部。当日は解説のため、学芸員が交替でお迎えしました。 親善のため来館したアルセニエフ博物館のシャライ館長 当日は、博物館本館の無料開館日であったため、ご来場いただいた方々には、本館の観覧もご案内しました(知らない方も多いのですが、博物館は特別展期間を除く、常設展開催中の日曜日は無料開館しています)。 函館博物館の所蔵資料は膨大で、平成26年度末現在で約67万点に及びます。資料数の多い考古分野の資料を除いても10万点の資料があり、博物館としての歴史が古いことや、都市函館の歴史性から、他の地方博物館よりも収蔵数は多くなっています。 博物館の歴史・博物場の建物もさることながら、当館の膨大な所蔵品のなかでも、おすすめの資料が、博物館本館で展示している、旧博物場関係資料です。 現在、博物館本館では、常設展のなかで「はこはくコレクション―海の生物と地質鉱物編」として、魚類剥製、液浸標本などを展示していますが、この標本類のなかには、明治12年の開館当時のもの、開館後間もない時期に収集されたものを含んでいます。 博物館本館で展示中の魚類剥製と液浸標本。 現代は、水族館で水中を泳ぐ実物の魚を見ることもできますし、図鑑やテレビ、インターネットなどで、生物の正確な姿を知ることができます。市場やスーパーにまで、地元では獲れない鮮度の良い魚が並んでいますが、当時はそう簡単ではありません。博物館に展示されていた、これらの標本が大きな力を発揮していた時代もありました。 博物館を取り巻く状況や展示手法も時代と共に大きく変化し、展示物の評価自体も時代によって変わっていきますが、明治の標本もなかなかよく作られていて、じっくり見ても飽きなません。博物館職員としても、博物館の歴史をも物語る興味深い注目の資料です。 この魚類標本類の資料の一部は、つい先日開設した新しい函館博物館のホームページ(http://hakohaku.com/)の「はこはくアーカイブス」で公開しています(今後、更新も予定しています)。遠方の方にも、ご来館いただき、ぜひ資料そのものをご覧いただきたいところですが、ご来館ができない方はこちらもあわせてご利用いただきたいと思います。 「はこはくアーカイブ」で公開中の魚類剥製 他館から資料を借用して大々的に宣伝・開催する特別展なども良いのですが、常設展が劣っているわけではありません。博物館本館自体の老朽化が進み、展示施設としての制約も多い現状ですが、展示物は自信を持って「良いもの」だと自負しています。 函館公園も博物場も明治の同じ時期に開設された、ある意味では一体のものです。前回ご紹介した函館公園の風景(第3回アドベントカレンダー(22日目)「風景のなかの自然」)、博物場の建物、現在の博物館本館の旧博物場関係資料をあわせてご覧にいただくのも良いものではないでしょうか?
by dounan-museum
| 2015-05-25 08:08
| コラムリレー
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