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北海道立函館美術館の大下です。 10月10日(土)は、郷土学講座第6回 美術編「道南の美術を知る」のなかで、「野田九浦、鐙谷抱圓、山口蓬春… 道南ゆかりの日本画家たち」と題して、明治以降、伝統と革新を重ねながら生み出された「日本画」の世界を振り返りながら、道南ゆかりの日本画家たちの画業を紹介する予定です。 実は、「日本画」という言葉自体、明治時代に生まれたものですし、多くの人が「伝統的」と考えている日本画は、実は明治以降、現代までも新たな試みを繰り返しながら、制作されています。この道南地方からも、そうした日本画の世界で、大きな役割を担った重要な画家が現れていますし、現在でも日本画というジャンルで制作を続けている画家も在住しています。 このように、道南地方でも美術というものは特別なものではなく、みなさんが生活する身近なところで、現在進行で生き続けているものなのです。函館美術館では、そうした道南ゆかりの美術家について常に調査・研究を続け、そこから展覧会の開催や作品の収集へと結びつけてきました。 そこでここでは、函館美術館で11月14日(土)から翌1月24日(日)にかけて開催される「瀬戸英樹展 ― 失われゆくものへのオマージュ」を紹介したいと思います。 満州に生まれた瀬戸英樹(1940/昭和15生)は、敗戦を期に家族とともにおよそ1年をかけて両親の故郷である函館に引き揚げます。幼い頃より描くことが好きでしたが、18歳ころより岩船修三に師事し、本格的に油彩画を学びます。 1967年に全道美術協会(全道展)、新制作展に初出品、初入選を果たし、以後両会を中心に発表するほか、安井賞展やシェル美術展などに出品を重ねました。当初は人形などをモチーフに、不安な雰囲気を醸し出す幻想的な作風でしたが、1974年から76年と、1984年に渡独、そこでヨーロッパの古典的な作品や、広大な風景と触れあうことで、作風に大きな変化が現れます。現実の事物を強く意識しながら、そこに内面性や批判精神を重ねる作風へと変わっていきました。 また、このころから道南地方の農村や漁村を丹念に取材し、膨大なスケッチを残しています。その後ほどなく全ての所属を離れてからは、個展を通じて、道南地方の農村や漁村などを極めて細密に描写した、独特な叙情を持つ作品を発表しています。 その画業に一貫して通底しているのは、「今はない郷愁を感じさせるもの」、「人の目に触れずに消えていきそうなもの」に対する、慈しむようなまなざしです。自ら蒐集した古い人形やおもちゃ、また農村の茅葺き屋根や浜辺の廃屋などを描いた作品には、まさに「失われゆくものへのオマージュ」に満ちあふれています。 本展では、近年取り組んでいる、住吉漁港から恵山にかけての海岸線を描いた20mを超える連作をはじめ、1990年代以降の近作を中心に、初期からの重要作も交えて紹介します。 瀬戸英樹展 ― 失われゆくものへのオマージュ 2015年11月14日(土)~2016年1月24日(日) 休館日/月曜日(ただし11月23日、1月11日は開館)、11月24日、1月12日、12月29日~1月3日 開館時間/午前9時30分~午後5時(ただし入場は午後4時30分まで) 観覧料(税込)/一般610(410)円、高大生410(300)円、小中生200(100)円 ※( )内は前売り・リピーター割引・および10名以上の団体料金 関連事業 ■アーティスト・トーク 日時:11月14日(土)、1月23日(土)午後2時~(30分程度) 講師:瀬戸英樹氏(画家) 会場:当館展示室(展覧会観覧券が必要です) ■マジカル・ワークショップ「人形劇にチャレンジ(仮)」 展覧会鑑賞と制作をあわせて楽しむワークショップです。 画家・瀬戸英樹さんはかつて人形劇の世界を目指していたこともあり、作品にも多くの人形が描かれています。このワークショップでは、展示室で作品を鑑賞したあと、人形作りと人形劇にチャレンジします。 日時:1月9日(土)午後1時~ 講師:北山篤氏(函館人形劇研究所) 会場:当館講堂、特別展示室 ※事前に申し込みが必要です。内容、応募方法、参加料など、詳しくは当館にお問い合わせください。 現在、展覧会の準備で赤くなったり青くなったりしている大下でした。
by dounan-museum
| 2015-10-09 11:31
| テーマ「道南の美術を知る」
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