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市立函館博物館の大矢です。 今回は当館の考古資料コレクションの中でも最も大きなものの一つである、「能登川コレクション」について紹介します。 能登川コレクションの旧蔵者である能登川隆(1902-1958)は、函館で手広く商売を行っていた精肉商「まるみ」の三男として生まれ、長じてその経営に携わりました。1879年創業のまるみは当初西川町に本店を構えていましたが、その後大門地区に鉄筋コンクリート造りの店舗を建てるなど繁盛し、能登川隆は主に末広町の丸井今井デパート内のテナントで経営者としての手腕を振るっていました。 また若い時分から考古学に深い興味を持ち、相棒の玉谷勝とともに住吉町遺跡や恵山貝塚など各地で盛んに発掘調査を行い、能登川隆の手元には膨大な考古資料コレクション「能登川コレクション」が蓄積されていました。その情熱は「出土品の良否が毎日の照る日曇る日で」、「発掘の現場でよいものが出ると、いくら電報しても帰ってくれません」と家人が回想するほど、時には商売そっちのけになってしまうほどだったようです(『能登川コレクションと古代文化展』より)。コレクションの名声は当時の考古学者の間でも広く知られていたようですが、「ほんの二~三人の人がその一部を見ただけで、報告も写真もほとんど公表されたものが」なく、「能登川コレクションは専門家の間で伝説的な存在」となっていました(『北の話』19号より)。 能登川隆の死後1959年4月、能登川コレクションは遺族の手で市立函館博物館に寄贈されました。そして同年7月には丸井今井デパートでお披露目展示されるとともに、翌1960年5月には、市立函館博物館五稜郭分館で「能登川コレクションと古代文化展」が開催されました。幻のコレクションの初公開とあって、研究者はもちろん、多くの函館市民がその優品に目を奪われたことでしょう。 その初公開から半世紀が過ぎ、その間「能登川コレクション」を前面に出した展覧会は開催していませんでした。現在当館では能登川コレクションの再整理・データベース化作業とともに関係者への聞き取り調査を行っており、新たな事実や関係資料が見つかってきています。近い将来、能登川隆の功績とそのコレクションを前面に出した「肉屋の社長の考古学」展を開催できればと、資料整理をしながら企んでいます。
by dounan-museum
| 2016-10-28 09:49
| テーマ「道南の考古学」
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