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七飯町歴史館の山田です。 ご無沙汰しておりましたが、8月よりコラムリレーを再開いたします。 今年度のテーマは、各施設などで所蔵している変わったものや興味深い資料。 もしかしたら、あまり見ることがない資料などが紹介されるかもしれません。 これから、週ごとに投稿していく予定ですので、お楽しみください。 さて、当館からは、嗜好品にかかわる資料をいくつか紹介します。 喫煙に「煙管」を使用していた時代に使われたもので、 木箱に火種を入れておく陶器製の火入れと竹製の灰落としが納められています。 灰落としには、自戒なのか洒落なのかわかりませんが、 「火ノ用心」と彫られています。 この煙草盆はシンプルなものですが、 このほかにも、津軽塗や自然木で作られるなど、 茶目っ気や、趣向を凝らしたデザインがみられたりと、 どことなく「鯔背」な趣きを感じます。 月桂樹をモチーフに背景を描いた「HAPPY」 陽光と瑞雲をテーマにデザインされた「光」 戦時中に横文字を使うことを禁止したことから名が変わった「金鵄」 改名前は、「ゴールデンバット」です。 ちょっと、かわったパッケージも。 左上「光」北洋漁業再開記念 北海道大博覧会記念(1954年) 右上「PEACE」全国交通安全運動十周年記念(1960年?) 中左「PEACE」講和記念(1951年?) 中右「PEACE」皇太子殿下御成婚記念(1959年) 左下「光」鉄道開通八十周年記念(1952年) 右下「光」放送開始三十周年記念(1955年?) このように、昔の煙草のパッケージデザインは、 銘柄や世相を想起させるものが多いように思います。 今でいう、限定品みたいなものでしょうか。 懐かしいと思う方もいらっしゃるかもしれません。 そして、最後はこの煙草 宇宙チックなパッケージデザインでありながら、爽やかな青空のような配色。 25本入りなのも驚きです。 「宙」の文字の下に「おおぞら」と書かれていますが、 当用漢字音訓表には、「宙」に「おおぞら」という読みが無いと物議をかもし、 半年後にデザインを変更し「おおぞら」という銘柄になったそうです。 現在なら、もっと受け入れられたかもしれない、ある意味、幻の煙草です。 以上、当館で所蔵している嗜好品(たばこ)に関係する資料を紹介しました。 博物館で、こんなものまで収集しているのかと思った方も多いかもしれません。 変わった資料というより、変わった観点といえるでしょう。 たばこやマッチなどは、 パッケージデザインにせよ、包装紙の質の違いにせよ、 時々の世相を反映していたり、技術の革新がみられたりします。 私は、日常品であれ嗜好品であれ、種類を「集める」ことで、 より資料的価値が見いだせるものがあると考えています。 どこに資料としての価値を見出すか。 限りある収蔵スペースに頭を悩ませながら、 過去、そして現在の人々のくらしを 後世に伝えるべく「集めること」の難しさを日々感じています。
by dounan-museum
| 2017-08-01 00:01
| コラムリレー
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