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北斗市郷土資料館の佐々木です。 今回は、箱館戦争当時、そして自動車の普及まで重要な動力であった馬と馬力について語りたいと思います。 北斗市郷土資料館ではこのような馬の模型を展示しております。 ちなみに名は「オオノファイヤー号」、性別は牡。かつて北斗市周辺で利用されていた種をモデルに作られています。 さて、「馬力」という言葉が現在でも使われておりますが、これははじめ、1765年に蒸気機関を発明したジェームス・ワットがその仕事率をあらわすために考案したもので、馬に荷物を引かせ、33,000ポンド(約15トン)の荷物を1フィート(約30cm)引ける力を1馬力と定めました。 一口に馬といっても多くの種類があり、それぞれ発揮できる馬力の強さも違います。 サラブレッドなどの軽種、速度は出ないが馬格(馬の体格)が大きく力の強い重種などです。改良の進んだこれらの馬の馬力は、サラブレッドで3馬力以上、重種馬で10馬力以上を発揮できると言われています。重種はばんえい競馬の主役でもありますので、北海道では有名ですね。道南でも、北斗市市渡の旧大野町家畜市場跡地のコースでばん馬競争が行われています。 ちなみに前述のオオノファイヤー号のモデルは中半血といって、農耕や駄送に適するよう改良された混血で、重種の血が混じっているため比較的大きな馬格で、力も強いものです。 箱館戦争当時の馬に関するエピソードで有名なのは、なんといっても土方歳三が馬上で撃たれ戦死したこと、そして榎本武揚が騎乗した「墨流し」の名でしょう。 当時利用されていた馬は主に和種馬で、北海道和種(ドサンコ)と、そのもとにもなった東北地方の南部馬が多かったようです。現在和種馬は北海道和種馬、木曽馬、野間馬、対州馬、御崎馬、トカラ馬、宮古馬、与那国馬の8種あり、北海道和種の頭数は和種馬全体の75%を占めていますが、残念ながら純血の南部馬は絶えてしまっています。 話は変わりますが、ワットの発明した蒸気機関も馬力という単位も、明治維新・箱館戦争と無関係ではありません。アメリカの黒船や、開陽をはじめとする強力な軍艦はみな蒸気機関を利用して動く蒸気船でした。また、これらの性能表記を見る時、よく馬力が書いてある(例えば開陽は約400馬力)のを目にするのではないでしょうか。 その活躍の例としては、ペリーがそれら蒸気軍艦を誇示し徳川幕府に開国を要求した事、開国の目的の一つが蒸気船の燃料確保であった事、榎本武揚が旧幕府艦隊をたよりに脱走を決断した事などが挙げられます。これらの出来事は蒸気機関があったからこそで、明治維新における重要な意思決定には蒸気機関が絡んでおり、いわば明治維新は蒸気機関に始まり蒸気機関に終わった、とも言えそうです。 最後になりますが、こんなことも 用水路に馬が落ちてしまい、必死の救出作業をしているところです。 昭和30年代、まだ自動車が普及する以前にはこのようなこともあったようです。 以上、とりとめもありませんでしたが、馬と馬力の話でした。
by dounan-museum
| 2013-03-04 13:06
| テーマ「幕末維新・箱館戦争」
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