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八雲町郷土資料館の柴田です。 今回は「農業」と言うことで、八雲町の澱粉製造のことを紹介します。 澱粉製造の原料となる馬鈴薯は、ジャガイモとも言われ、現在では男爵薯やメークイン、キタアカリなどの品種が有名ですが、明治の初めには、北アメリカからアリーローズやスノーフレークなどの品種が輸入されたそうです。 北海道の開拓農民にとって、馬鈴薯は寒さに適し冷害に強く、主食の代用ともなる救荒作物として重用されていました。しかし、収穫の点では安定していましたが、輸送・保存などには適していなかったため、中央市場での商品にはなりませんでした。澱粉製造に関しても、明治11年に開拓使によって製造が試みられ、明治15年には八雲町においても辻村勘治によって販売を目的とした澱粉製造が行われましたが、輸送手段と市場の形成が十分でないこともあり、失敗に終わっています。明治17年に徳川家開墾試験場において、函館地方より澱粉製造機械を購入し製造を試みていますが、製造に多くの人手を要し、販路の確保も出来ないことから、数年で廃止しています。 手廻澱粉製造の状況 馬廻器による澱粉製造の状況 澱粉製造に用いられた水車 明治30年に川口良昌が考案した「川口式澱粉製造器」は、画期的なもので、全ての作業工程に水車による動力を導入したことにより、省力化を図ることに成功し各地で澱粉製造が盛んとなりました。 川口式澱粉製造工場 明治37年に、製品の検査と品質の統一の向上を図るため、「八雲片栗粉同業組合」が設立されました。定款によって等級を定め、一等品は雪印、二等品は月印、三等品は花印、不合格品は等外としました。 八雲片栗粉同業組合の等級別澱粉商標 明治40年には東京市場において、第1位を占めていた千葉県産の澱粉を抜いて、八雲産の澱粉が全国一位の高値で取引されました。 第1次世界大戦による澱粉価格の高騰と暴落は、収奪農法による農地の荒廃と農村内部に農工業の分離をまねいたと言われています。その後の八雲の農業は、種子用馬鈴薯の栽培や酪農業への転換が図られていきました。
by dounan-museum
| 2013-10-15 09:00
| テーマ「道南の農業開発の歴史」
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