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市立函館博物館の保科智治です。 市立函館博物館では、これまで未来大学と連携して、いくつかの事業を行ってきました。 今年度10月から展示ケースを利用した情報ブースを設置しました。その設置のきっかけの一つになった昨年の事業について紹介します。 講義及び解説 公立はこだて未来大学木村健一教授・原田泰教授が担当する情報デザインコース1における博物館との共同講義において、2年生を対象に平成25年度企画展「函館商人の人生模様」に関する立案から展示までの過程について講義及び解説をおこないました。 平成25年5月2日、博物館集会室において、企画展における情報とデザインの関係性について講義をおこないました。 今回の話では「展示デザイン」ではなく、あくまで古文書という文献資料を「情報」ととらえ、その「情報」を展示という一つの「デザイン」の形にするまでの過程に重点をおきました。 展示という形になるまでに、情報の整理(資料を一点一点封筒に詰め、内容や作成年代などの必要事項を記入し、リスト化する作業)、情報の解読(くずし字で書かれている場合がほとんどである資料を書き下していく作業)、情報の収集(残された資料からだけでは不明な点を補うため、当時の新聞や他の資料の収集、子孫などからの聞き取りをする作業)、情報の分析(編年順に並べたリストや解読文から家族や商業の実態・変遷を探る作業)をおこなっていったことを説明しました。 一見するとゴミのようにも見える整理前の古文書、それらを封筒詰めした状態のもの、研究紀要にまとめた資料解説とリストを見てもらい、これらの成果の一部としての展示を解説しました。 展示解説では、古文書というとっつきにくい資料に少しでも関心を持ってもらう工夫として、キャプションに目を引くようなタイトル(例えば借用証書には「正月早々借金の依頼」などのような)を入れたことなどについても説明しました。 ポスターやチラシ、展示解説リストについても説明をおこないました。 これら印刷物については今回の企画展ではすべて自前で製作したこと、企画展の宣伝だけではなく常設展や次回の企画展の宣伝も盛り込み、いわゆる「デザイン」的には見劣りのするものであることも話しました。 学生による展示提案 上記の講義及び解説を受けた学生により、8月3・4日の二日間、函館市青年センターにおいて「はこだて未来展」と題した作品展が開催されました。 受講している約40人の学生が、企画展をよりわかりやすくするための方法をパネルにして解説したものです。 また3日には学生による具体的な展示提案の発表会もおこなわれた。 発表の内容は多岐にわたりますが、人物カードの作成や日本の出来事、函館の出来事そして商人の活動を連動させた年表パネルの作成、QRコードによる展示資料解説、音声装置や携帯機器と連動させた解説、展示に引き込むためのクイズやアトラクションの提案などがおこなわれました。 これまで展示に関するコメントは、博物館関係雑誌や歴史系雑誌などにおいて「展示批評」という形でコメントされ、その批評者は展示の専門家であったり、展示内容の分野における専門家が一般的です。 そこでは「批評」は的を射ており、提案も文章による高度な内容が提示されることが通常です。 今回の未来大学生による発表は、「展示批評」ではなく具体的な「展示提案」であることが、これまでとは少し違う新鮮な点でした。 学生たちは展示の専門家でもなく、もちろん歴史学を専攻しているわけでもなく、古文書をまじまじと見ることも恐らくはじめてだったのではないでしょうか。 そういう点でより一般の観覧者に近い視点で展示を観覧したと思われます。 専門家が提案する内容は掲載される専門誌を購読すると思われる、どちらかというと専門家が要求する内容のものが多く見受けられ、一般の観覧者がとらえていることとは少しズレがあるように思われます。 その点、今回の学生による提案は専門的に見れば疑問符のつくものもあるが、専門家ではない学生たちが、より分かりやすいと思われるための工夫を提案してくれていることで、普段そういう提案になかなか接することのない私にとってはよい刺激となりました。 次の展開 これまで、当館は未来大学の協力を得て印刷物のデザインや講座の開催などを行ってきました。 さらに未来大学の先生方が科学技術振興機構の支援を受けた「問題解決型サービス科学研究開発プロジェクト」事業の対象博物館ということもあり、それらを総合的に活用した何かをできないだろうかということで、展示ケースを利用した「情報ブース」の設置を提案し、木村健一教授と指導ゼミの学生を中心に、川嶋稔夫教授と指導ゼミの学生が以前に開催したハイブリットミュージアムの成果および五稜郭築造150年記念で作成したリトファスゾイレ(円筒形掲示板)を活用しました。 まだはじまったばかりの試みですが、次の機会に紹介したいと思います。 平成25年度はこだて未来展発表の様子1 平成25年度はこだて未来展発表の様子2
by dounan-museum
| 2014-10-31 12:39
| コラムリレー
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