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八雲町郷土資料館・木彫り熊資料館の大谷です。 八雲町の大恩人、尾張徳川家第19代当主の徳川義親公ゆかりの資料を紹介します。 第二次世界大戦前、「熊狩の殿様」として有名だった義親公。 東京の研究所で顕微鏡を覗きながら、冬眠中の熊がどうしているのか気になった…そのとき八雲から来ていた都築氏が、八雲で熊を狩ることを勧めたため、大正7年3月に八雲の山の中でアイヌと共に熊狩りを行います。これを、同行した朝日新聞記者の岡本一平(岡本太郎の父)が漫画と解説文の記事にしたため、「熊狩の殿様」として有名になります。 また、この固雪の残る山を歩き、熊と対峙するという経験に惹かれ、毎年八雲にて熊狩りを行うようになります。 この義親公が熊狩りで使用したライフル銃を八雲町郷土資料館に、尾張徳川家第22代当主の徳川義崇氏が寄贈していただきました。 ![]() ウィンチェスターM1892というレバーアクションのライフルです。 銃床には義親公が唱歌を刻んでいます。 ![]() ![]() この義親公の熊狩りは、八雲のユーラップアイヌの協力なくしては成り立ちませんでした。 八雲では、雪が積もる前に巣穴となりそうな穴を探しておき、見つけたアイヌの個人財産としていました。そして、3月に固雪となったころ、熊が入っているかどうか穴を一つ一つ確認しながら山を歩くのです。そのとき自分の財産の穴以外には手を出さないという決まりになっていました。 義親公はユーラップアイヌ達と山に入り、彼らの見つけた巣穴を巡って、熊がいたら狩猟していました。毎回獲れたわけではなく、成果0の年もありました。 ![]() 休憩中の義親公 熊を獲った後は、徳川農場にてアイヌと共に熊送りの儀式を行いました。義親侯自身もアイヌの衣装(ルウンペか)を着て、参加しました。 この熊狩りに端を発し、マレーに行けばサルタン(王様)と虎狩りをしてニュースになって「虎狩の殿様」と呼ばれ、象や鰐も狩猟しました。そして日本理髪店協会の名誉会長も喜んで引き受けました(虎刈りというダジャレ)。 ただし、いろいろな動物を狩猟してきた義親公ですが、戦争を契機として一切の狩猟を止めました。 また、八雲で始まった木彫り熊も、義親公の「熊狩」にちなんで、「熊彫」と名付けられ、販売されていました。 さて、この義親公愛用のライフル銃は、現在開催中の八雲町郷土資料館企画展「徳川さんと八雲-徳川義親侯生誕130周年・歿後40周年-」にて展示しています。他に、旧制八雲中学校(現在の八雲高校)に寄贈し、現在は八雲高校同窓会が管理しているマレーで狩猟した象の鼻・足・尻尾の剥製をお借りして展示しています。 開催期間は当初9月4日まででしたが、好評につき9月25日(日)まで延長ておりますので、ぜひご来館ください。 また9月17日(土)からは、木彫り熊資料館企画展「浜田コレクション展」を開催します。木彫り熊コレクターの浜田氏が集めた貴重な木彫り熊をお借りし、11月6日まで展示しますので、こちらも合わせてご覧ください。
by dounan-museum
| 2016-08-25 18:17
| コラムリレー
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