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七飯町歴史館には、1999年に一括寄贈された「高橋秀雄考古資料コレクション」(以下、高橋コレクション)と称する資料群を所蔵しています。 これらは土器87点、土偶4点、土製品2点、石器172点、石製玉1点の総計265点の考古資料群なのですが、発掘調査によって得られたものではなく、郷土の歴史に関心が高かった学校教諭が、子どもたちに学びをという目的で蒐集したもので、復元状況も粗く実測図も描かれていないものです。その一部は当館の常設展示室にも展示され観覧に供しているのですが、ほとんどは収蔵庫の奥深く、段ボールに収められ陽の目をみていませんでした。 文化財保護法が施行された頃から蒐集が行われているのですが、各地で包蔵地台帳が整備される昭和50年代までは、今よりも発掘に対する法的制約も鷹揚な時代だったこともあり、完形の資料も見られるなど、学術的に見ても興味深い資料がありながらも、知られることのない不遇な状況だったのですが、幸いなことに道南地域で長年考古研究者たちが研鑽を深める「「南北海道考古学情報交換会」という組織で発行している会誌に、本コレクションの一部を紹介する機会をいただきました。それが下の土器とその実測図になります。 ![]() ![]() この土器についての専門的な所見は、刊行される会誌を読んでいただければと思いますが、この場では、その他のコレクションをいくつか紹介できればと考えています。 ちなみに、コレクションの蒐集者である高橋秀雄という人物について簡単に紹介すると、昭和13年に大中山尋常小学校(現七飯町立大中山小学校)訓導(教諭)として赴任し、昭和28年に室蘭へ転出するまでの間、七飯町大中山地区を中心に考古遺物の蒐集を行っていたようで、大中山地区の遺跡は大中山中学校教諭の高橋秀雄、池田堯、野呂進らによって踏査され、発見順に番号を付した遺跡名がつけられました。高橋が七飯町を離れた後も、野呂を中心に大中山地区の考古遺物の蒐集が学校活動として行われるなど、考古遺物への熱意が地域に引き継がれていきました。 コレクションを調べていくと、高橋は七飯町を離れた後も蒐集を続けていたようで、コレクションには七飯町のほか、函館市サイベ沢遺跡出土の円筒上層式や江別市出土の後北式土器、松前町、上湧別町、せたな町でも採集をしていることがわかりました。主に昭和20年代に蒐集されたこれらの遺物は、七飯町内でも先駆的な考古学踏査による貴重な資料であり、高橋らの熱意によってこれらの考古遺物が後世に残されたことは幸運なことだったと思います。 それでは、コレクションからいくつかの遺物を紹介します。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
by dounan-museum
| 2022-11-21 14:39
| コラムリレー
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