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ピリカ旧石器文化館の宮本です。 今回は当館の話題ではなく、道南ブロック博物館施設等連絡協議会が運営する「南北海道の文化財」を取り上げます。 当協議会では多くの人に文化財を知ってもらうため、加盟する学芸員で協力し、誰でも無料で利用できるOpenStreetMap(オープンストリートマップ)上に文化財等を表示する、いわゆるウェブ版文化財マップを作成しています。まずはこちらをごらんください。 本サイトは公立はこだて未来大学の奥野拓教授の技術協力を得て、2017年から公開が始まり、石碑や建造物、史跡、屋外美術、景勝地のほか、博物館施設(博物館、資料館、美術館等)を紹介しており、2024年8月時点で744件を公開しています。この数は本地域の文化財の潜在的な数からするとまだまだ一部であり、順次追加登録を進めることにしています。 本マップの便利な点は、訪れた地域で目にした石碑や建造物等について、登録されたものであればスマートフォンで手軽に内容を確認できるところです。 私自身も町内の石碑の碑文を確認するのにしばしば使っていますし、町内の車道を走っていると偶然、道端の石碑の前でスマートフォンを片手に眺めている人を見かけました。本マップを利用して石碑巡りでもされていたのでしょうか、そんな姿を目にすることがありましたね。 本マップの利用度については、奥野教授の報告によると、年間アクセス数は3万件台で安定して推移しています。私としては非常によく利用されていると感じています。 ここでちょっとした使い方をご紹介すると、カテゴリの「碑・像」をクリックすると今金町付近では次のように表示され、町全域にわたって面的に分布する様子がわかります。 それぞれクリックすればわかりますが、この地域の場合、これらの碑の大半は馬頭観音碑なんですね。このことから、町の全域にわたって農耕馬が多く飼養されていたことがうかがわれますし、関連資料を調べると、昭和時代初期には町内7地区のすべてで輓馬大会が行われていたという記録があり、こうした碑の分布傾向ともよく合致します。 次の写真は、馬頭観音碑のある高台から眺めた今金町神丘地区の風景です。この一帯は開拓前は鬱蒼とした原生林が広がっていたところですので、現在見られるこうした広大な農地は、実は馬という原動力によって開拓が成し遂げられたことも見えてくるわけです。 さて、本マップはこのように地元学芸員の地道な登録作業によって支えられているのですが、学芸員不在等の理由で登録件数が希薄な地域があるのも事実です。こうした地域については今のところ、近隣自治体の学芸員で手分けをし、合間を見て登録作業を進めているところです。 ウェブマップ「南北海道の文化財」は渡島・檜山全18市町をカバーするものでなければなりません。当協議会の事務局を務める私としては、各地域の学芸員の理解と協力のもと、それぞれで登録を地道に進めてもらうとともに、希薄地域を少しでも減らし、システムとしての完成度を高めたいと考えています。 本サイトをご覧になれば、まだまだ改善すべき点も多々感じられることでしょう。より使いやすいものに改善したいと思っていますので、これからの進展を見守って頂ければ幸いです。
by dounan-museum
| 2024-08-10 17:26
| コラムリレー
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