カテゴリ
全体 コラムリレー 市立函館博物館 函館市縄文文化交流センター 北海道立函館美術館 函館市北方民族資料館 函館市文学館 五稜郭タワー 函館高田屋嘉兵衛資料館 土方・啄木浪漫館 北海道坂本竜馬記念館 北斗市郷土資料館 松前町郷土資料館 松前藩屋敷 知内町郷土資料館 七飯町歴史館 森町教育委員会 八雲町郷土資料館 福島町教育委員会 江差町郷土資料館 上ノ国町教育委員会 厚沢部町郷土資料館 乙部町公民館郷土資料室 奥尻町教育委員会 大成郷土館 ピリカ旧石器文化館 テーマ「道南の考古学」 テーマ「道南の自然」 テーマ「道南の農業開発の歴史」 テーマ「松浦武四郎が見た江戸時代の道南」 テーマ「道南の美術を知る」 テーマ「幕末維新・箱館戦争」 テーマ「道南のアイヌ」 事務局 コラムリレー 未分類 お気に入りブログ
リンク
以前の記事
最新のコメント
最新のトラックバック
最新の記事
記事ランキング
画像一覧
|
森町教育委員会の片山です。 森町は北海道内を往来する上で多くの人が通りかかる地点であり、今でもJRの特急が停まりますが、陸路のみならず海路においても交通の拠点となる場所でした。その歴史を伝える文化財が町内にはいくつもありますが、今回はその中でも古く、町指定文化財にもなっている「三界萬霊塔」を紹介します。 森から箱館まで続く道は1555年ころ(弘治年間)にはニシンを求めて箱館からの出入りが増えたことにより作られてから、茅部場所として賑わいをみせ、休憩所や宿泊所の施設なども設置されるようになります。特に箱館から峠下を経由し宿野辺(現在の赤井川・駒ヶ岳)から鷲ノ木へと向かう経路は重要な街道となっていました。 三界萬霊塔はその街道の中で駒ヶ岳の麓に位置する宿野辺村(現在の森町字駒ヶ岳)に建てられました。建立されたのは1863年(文久3年)のことで、高さ約91㎝、幅約60㎝の安山岩製の石碑です。正面にはその名を示す「三界萬霊塔」と刻まれていて、その横には建立年月日を示す「文久三年五月十二日」が記されています。「三界」は過去・未来・現在を意味し「萬霊」は人や生き物全ての魂を表す言葉です。二つの言葉を合わせて「ありとあらゆる全ての魂を供養する」という思いが込められています。 ![]() 保護舎設置前の三界萬霊塔 (引用:森地方史研究会1981『森町の史跡と碑・石仏』) 町が交通の要路であることを示す歴史的な資料であり、町に現存する碑の中でも古いものであることから1977年(昭和52年)2月1日に町の有形文化財に指定されました。民地の中にあり保存のために保護舎が設けられていて、今も大切に管理いただいています。「駒ヶ峯温泉 ちゃっぷりん館」へ向かう道すがらで見ることができますので、足を運ぶ機会がありましたらぜひご覧ください。 ![]() 三界萬霊塔周辺の様子 現代でも交通事故のニュースは後を絶ちませんが、行き交う人々の安全を願う気持ちは今も昔も変わらないことでしょう。
by dounan-museum
| 2024-12-20 17:46
| コラムリレー
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||