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せたな町教育委員会の工藤です。今回はコラムのテーマが「戦後80年」ということで非常に迷いましたが、先日当館に昭和15年度の卒業アルバムが寄贈されたことから、「教育」を主に書こうと決めました。 皆さんは「教育」と「学習」の違いをご存知でしょうか?主な違いとしては主体と方法が異なります。「教育」は教える側と学習者がおり、教える側が意図的に働きかけ知識やスキルを伝えます。これに対して「学習」は学習者自らが経験や努力を通して知識やスキルを習得します。 つまり、「教育」とは教える側がどのような意図をもって学習を行わせるかによって学習結果が大きく変わるということになります。では、戦前・戦中はどのような「意図」をもって教育が行われたのでしょうか? ● 戦前・戦時の教育理念 戦前・戦時における日本の教育の基本理念(意図)を定めたものが、「教育勅語」とよばれる勅語です。公的には「教育ニ関スル勅語」と呼ばれるもので、本文は315字の小文で、形式上は2節に分かれますが、内容的には3つの部分から文章が構成されています。 冒頭部分は、この勅語の中核をなすもので、日本の教育は天皇制を軸とする「国体」に起源するものと宣しています。これを承けた中間部分では「父母ニ孝ニ」に始まる15の徳目が列挙されており、それらは全て天皇制の発展に寄与すべきと構造づけられ、結論部分では、この理念が国内外や時代を越えた心理であるとし、この教えを天皇みずから「臣民」とともに実践するつもりであると結ばれています。 日本の教育を当時の支配体制である天皇制と一体不可分の関係に置こうとした宣言がこの勅語です。明治期には数回勅語の改訂が検討されましたが、当時の情勢に合わせた詔勅(「戊申勅書」や「国民精神作興ニ関スル詔書」など)を別に公布し、教育勅語自体は「神聖不変」の教典として扱われ、国家の戦争遂行という意図のもと軍国主義教育が行われていきます。 ●軍国主義教育と奉安殿 軍国主義教育とは、教育勅語とともに、教科書に軍人や戦争を賛美する教材を数多く登場させ、学校行事などでその思想を鼓吹することでした。中等学校以上では軍人勅論に示された諸徳を訓育の内容とし、天皇制軍隊の諸徳を徹底させる教育は愛国心教育(教育勅語)と一体となって、国民の意識を支配し、軍事優先の思想は国民の日常生活の行動規範となっていきました。 ![]() 寄贈された久遠尋常高等小学校 卒業記念より「兵式教練」を行ている写真 この様な軍国主義教育の先駆けとして、明治23(1890)年から全国の学校に建てられるようになった施設が「奉安殿(奉安庫)」と呼ばれる建物でした。この建物は学校に「下賜」された天皇陛下の写真(御真影)以下皇族の公式肖像写真および学校へ下付された教育関係の詔勅類の公式謄本を保存するための建物で、元々、御真影や勅語は校内に掲示されていましたが、掲示していた学校が火事となり、その責任をとり校長先生が自決するという事件があったため、校舎から離れたところに耐火性の高い奉安殿を立てるようになりました。 ![]() 久遠尋常高等小学校の奉安殿(昭和16年撮影) 当時の記録や聞き取りによると学校に入る前と帰る前には必ず奉安殿に一礼をしなければ、とても怒られたや保管されている御真影や勅語を紛失した先生が職を辞したなどの話が各校の記念誌に残されています。 学校では当然のことながら「教育」を行います。教育とは字の如く「教え、育てる」こと。決して戦地に赴くのが名誉だと思うような「意図」が介在してはいけないのです。 戦後80年、世界の情勢は不安定ですが、子ども達がこのような教育を受けるような国に再びならないように、過去の歴史から学び、今の学びに生かしていく必要があると感じます。 せたな町教育委員会 工藤
by dounan-museum
| 2025-07-25 22:06
| コラムリレー
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